受講生の市原です。
「禅書道の講座がどのような流れで進んでいくのか」
がわかるような形で、今回の講座の内容を書いてみようと思います。
講座が始まると、まずは、椅子に座ったまま、5分間の坐禅をしました。
5分の間、自らの呼吸の数を数えることだけに集中します。
たった5分ですが、坐禅をすると、心が穏やかに落ち着いた状態になり、書道に集中しやすくなるので、僕は坐禅の時間が好きです。
5分間の坐禅を終えると、笠倉先生が、今回書く
「行雲流水」
という言葉の意味について、仏教の教えを踏まえてお話してくださいました。
その後、文字を書く際に気をつけるポイントについて、ホワイトボードを使いながら説明してくださいました。
それらを踏まえて、実際に文字を書き始めました。
お手本は、いつも行書と楷書の2種類が用意されています。
どちらの書体から書いてもいいので、僕は行書から書き始めました。
僕らがひたすら書いていると、先生が僕らの後ろを歩いてまわり、
「ここの筆使いは、こうしてみたらいいと思う」
「ここは、いい線がかけたね」
「もっと呼吸を深く、腰までおとして」
などと各自に声をかけてくださいました。
僕は、先生がかけてくださる言葉が好きです。
僕がこの講座に初めて参加ときのことです。
僕は、20年ぶりに筆を持って、なかなかうまく字がかけなくて、恥ずかしいなと思っていました。
そんなとき、先生が
「もっと深く呼吸を腰までおとして」
「今に集中。筆を置いたときに先のことを考えない」
「そうそう。その調子」
と声をかけてくださり、言われるがままに一本の横線を書いたら、先生が
「いい線がかけたじゃない!」
と褒めてくださいました。
字がうまいか下手かということではなく、一本の線のことを褒めてもらえた、そのことがとても嬉しかったのを覚えています。
「下手な字を書いてもいいんだ」
という安心感を得られたことが、この講座を受講し続けようと思う理由のひとつとなりました。
先生の指示を受けながら書いていると、あっという間に時間が過ぎ、講座の終了時間が近づきました。
毎回、講座の最後には、各自が書いた作品をホワイトボードに掲示し、みんなで鑑賞して終了となります。
今回も、みんなで鑑賞を楽しんだのち、撮影をして終了となりました。
心を落ち着かせて、書道に熱中する時間があるというのは、とてもぜいたくだなと思います。
来月の講座が楽しみです。
市原